2008 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場湿式めっきによる鉄族遷移金属の形態制御ナノロッド膜の形成
Project/Area Number |
20760505
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八木 俊介 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (60452273)
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Keywords | 強磁性ナノ粒子 / 液相還元法 / 熱力学 / 混成電位 |
Research Abstract |
今年度の研究実績は以下の通りである。 【液相還元法による強磁性金属ナノ粒子の核生成および成長機構の解明と定量化】 今年度は、強磁場湿式めっきによる強磁性金属核の形成に関して基礎的な知見を得るための研究を行った。特に、液相還元法による強磁性金属ナノ粒子作製プロセスを定量的に解析した。 まず、不飽和脂肪酸などの有機系添加剤を用い、析出する金属ナノ粒子の粒径の制御や分散性の向上を試みた。また、塩化白金酸、塩化パラジウム、硝酸銀などの塩を核形成剤として用いて、析出金属ナノ粒子の粒径の制御を試みた。特に塩化白金酸の還元により生じた直径数nmの微細な白金核は、核生成サイ下としてだけでなく、その触媒活性により還元剤の酸化を促進させる作用を持つことを電気化学測定により明らかにした。こうした触媒活性を有効に活用することにより、ニッケルおよびコバルトの金属ナノ粒子を、室温において形成するプロセスを開発することに成功した。ポリオール法などに代表される液相還元法による鉄族金属ナノ粒子の形成プロセスは、通常、100℃もしくはそれ以上の高温を要する。これに対し、本プロセスでは室温で反応を進行させることができ、強磁場発生装置内において、温度制御のための特別な装置を必要としない。また、昇温のプロセスを必要とせず、エネルギー効率の良い簡便なプロセスと言える。 以上の成果を元に、来年度は強磁場による強磁性金属ナノ粒子(およびめっき膜)の形態制御を試みる。
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Research Products
(6 results)