2009 Fiscal Year Annual Research Report
ソルボサーマル法による高機能希土類複合酸化物触媒の創製
Project/Area Number |
20760530
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細川 三郎 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (90456806)
|
Keywords | ソルボサーマル法 / 希士類複合酸化物 / 燃焼触媒 / 結晶構造 |
Research Abstract |
希土類複合酸化物は、高い熱安定性・原子価や酸素欠陥量の制御による活性の増加・活性金属種の共存による相乗効果などから、炭化水素の燃焼反応や脱硝反応に対する環境触媒として高い活性を有することが認められている。本研究の目的はソルボサーマル法による希土類複合酸化物の結晶構造・形態・欠陥状態の制御法の確立と、本法を活用して極めて高い活性を有する燃焼触媒の開発である。そこで、本年度は常法では合成困難とされているソルボサーマル合成した六方晶YbFeO_3に貴金属を担持した触媒による炭化水素の燃焼反応を検討した。さらに、担体調製法の影響を検討するために、錯体重合法で合成した六方晶YbFeO_3と斜方晶LaFeO_3を担体に用いた触媒においても触媒特性の評価を行った。 六方晶YbFeO_3に貴金属を担持した触媒は、六方晶YbFeO_3のみの触媒に比べ極めて高いプロパン燃焼活性を示した。貴金属の中でも、Ruを担持した触媒が最も高い活性を示した。本触媒は、斜方晶LaFeO_3にRuを担持した触媒や高表面積を有するRu/Al_2O_3触媒より高い活性を示した。また、錯体重合法で合成した六方晶YbFeO_3およびソルボサーマル合成した六方晶YbFeO_3にRuを担持した触媒の表面積は同程度であったが、それらの燃焼活性は大きく異なり、ソルボサーマル法で合成した高結晶性六方晶YbFeO_3を担体に用いたものの方が高い活性を示した。この結果は六方晶YbFeO_3の結晶性が活性に影響を及ぼしていることを示唆している。 以上の結果から、ソルボサーマル合成した高結晶性六方晶YbFeO_3にRuを担持した触媒が高いプロパン燃焼活性を示すことを明らかにした。常法では合成困難とされている六方晶YbFeO_3が炭化水素の燃焼反応に高い活性を示したことは、触媒調製化学の分野において意義深いものと考えられる。
|
Research Products
(3 results)