2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の品質管理機構に着目したバイオ医薬品の生産性向上に関する研究
Project/Area Number |
20760541
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
東 恒仁 Fukushima Medical University, 医学部, 助教 (90453018)
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Keywords | 動物細胞工学 / 品質管理 |
Research Abstract |
本研究課題の達成には、全反射顕微鏡を用いた小胞体内腔におけるカーゴタンパク質の一分子解析が必須である。しかしながら、これまでの一分子解析はマニュアル的な手法に頼っており、ハイスループットな解析が困難であると共に正確性にも欠けるきらいがあった。そこで、今年度はImage Correlation Spectroscopy(ICS)を利用した画像解析手法の開発に取り組んだ。コンピュータシミュレーションによる粒子の拡散解析にICSを適用することで、ターゲットとする粒子群が単純拡散の特性を持つか、flowなどの特定の方向性を持った動きを見せるかを、数値的かつ客観的に解析することに成功した。続いて小胞体内腔のタンパク質の一分子タイムラプス観察画像にも、本解析手法の適用が有用であることを示した。このことによりモデルケースとなる分泌タンパク質の小胞体内腔における動態解析を実施することで、細胞のタンパク質の生産効率と小胞体内腔の動態との関連性についてより容易に調べることが可能になると期待される。 ICSの開発と併せて、近年注目を受けている細胞内のRNA品質管理機構についても検討をおこなった。mRNAの選択的分解に関係するタンパク質DCP1について解析を行ない、DCP1のP-bodyへの局在に必須となる18アミノ酸を特定した。本アミノ酸を欠くDCP1は野生型と比較して細胞質における他の高分子との結合能力に差が見られることをFluorescence Recovery After PhotobleachingおよびFluorescent Correlation Spectroscopyを用いることで示した。
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Research Products
(6 results)