2008 Fiscal Year Annual Research Report
巨視的弾性条件下の疲労き裂発生・伝播寿命推定システムの確立に関する研究
Project/Area Number |
20760562
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堤 成一郎 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (70344702)
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Keywords | 疲労 / 繰返し塑性 / 巨視的弾性 / 弾塑性 / ダメージ / 構成式 |
Research Abstract |
従来の設計手法に基づいて設計された構造物が、想定寿命以前に破損にいたる事例がしばしば報告され、その破損事例の多くは「疲労」に起因していると言われている。特に我々が対象とする船体構造の長寿命化には、複雑かつ多岐にわたる過酷な外力作用下での疲労現象の把握および設計への考慮が不可欠である。そこで本研究では、材料に蓄積される塑性仕事と疲労き裂発生時期の相関に注目して、疲労き裂発生規準を確立し、最新のき裂進展理論に提案モデルを導入することにより、疲労き裂発生から伝播までの寿命予測システムを開発するための拡張弾塑性モデルの確立を目的としている。なお本研究は構造物の安全性を確保しつつ、合理的かつ経済的な設計を可能にするための先進的な研究であり、新規構造物に限らず、既存構造物の余寿命の診断にも適用できるため、合理的な保守点検・メンテナンス計画の策定にも多大に寄与すると期待される。まず本研究では、巨視的弾性を含む任意の繰返し応力下での疲労き裂の発生と、その後の伝播挙動を高精度に予測可能な疲労寿命推定システムの確立を目的として、任意の巨視的弾性繰返し応力下で計測される疲労現象を予測可能な構成式のプロトタイプを構築した。本構成式は、単調載荷挙動及び巨視的塑性状態の非弾性変形のみならず、巨視的降伏以前の応力状態でも微小な塑性変形を予測可能なものである。なお、実験結果との照査により、その適用性の高さを確認することができた。
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