2010 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエにおけるebony遺伝子多型と交配相手選好性の関係について
Project/Area Number |
20770007
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
高橋 文 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 助教 (90370121)
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Keywords | 種分化 / ebony / 昆虫 / 多型 / 上流解析 / 多面発現 / 交尾行動 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
本研究の目的は、ebony遺伝子の5'領域の変異が交配相手選好性に直接関与しているかどうか、またそれはどのような組織の発現を通して起こっているのかを実験的に明らかにすることである。これまでに、遺伝子上流領域のうちの一部約900bpをGa14につないで形質転換した系統をUAS-GFP系統とかけあわせ、そのエンハンサー活性を調べる実験を行なった結果、羽化直後の成虫について胸部三叉模様の色素沈着パターンがあらわれる部位に発現を誘導する活性があることが明らかとなっている。また、ebony遺伝子は、神経系でも多面発現することが知られており、ebony遺伝子の胸部での発現量が異なる系統について、脳での発現量にも違いがあることがわかった。これは、ebony遺伝子5'領域の変異が何らかの行動の違いと結びついていることを強く示唆する結果であった。 これらの成果をもとに、H22年度には、脳でのebony遺伝子ノックダウン個体を用いて日周活動性及び、日周時間の違いによる交尾相手選好性を調べるための行動実験を行った。その結果、脳(グリア)でebonyをノックダウンすると、日周活動性が変化し、暗期の活動性が高まる。また、交尾相手選好性の違いについても暗期でノックダウン雄とノックダウン雌の交尾率が、野生型どうしの交尾率と比べ高まることが示された。このことから、この遺伝子の5'領域の変異による脳での発現量の変化は、交尾相手選好性に大きく影響することが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)