2008 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母Fーboxヘリカーゼによる相同組換え制御の分子機構
Project/Area Number |
20770008
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
筒井 康博 National Institute of Genetics, 分子遺伝研究系, 助教 (00390625)
|
Keywords | 相同組換え / 分裂酵母 / F-boxヘリカーゼ / Rad51 / ユビキチン / DNA修復 |
Research Abstract |
体細胞分裂期では非交叉型組換えが主に観察され、交叉型組換えは厳密に抑制されており、もっぱらDNA二重鎖切断の修復や崩壊した複製フォークの再生など、細胞にとって非常事態のみに働くように多重制御されている。以前に我々の研究グループは分裂酵母において組換え修復に関わる新規因子Slrの検索・同定を行ない、そのうちの1つとしてF-boxをもつユニークDNAヘリカーゼ、Fbh1(Slr5)を同定した。遺伝学的解析から、Fbh1がRad51の下流で組換え中間体の解消に働くことが示唆されている。本研究では、生化学的解析を中心として、Fbh1の組換え制御機構の解析を進めている。Fbh1リコンビナントタンパク質を精製したところ、単鎖DNA依存的ATP加水分解活性およびDNAヘリカーゼ活性がみられた。組換え反応の粗過程における役割を解析するために、試験管内DNA鎖交換反応系の様々な段階でFbh1を添加したところ、反応初期に加えた場合には組換え反応が全く起こらなくなることが分かった。この結果はFbh1が未成熟なRad51フィラメント(単鎖DNAにRad51が結合したタンパク質-DNA複合体)からRad51を一掃することが考えられた。次に、Fbh1を含む分裂酵母SCF^<Fbh1>複合体をバキュロウイルス発現系から精製し、ユビキチン活性化酵素E1及びユビキチン結合酵素E2と組み合わせた試験管内ユビキチン化反応系を構築した。現在、SCF^<Fbh1>複合体によってユビキチン化される標的タンパク質の検索を進めており、ユビキチン化活性とヘリカーゼ活性の生物学的意義の解明を試みている。
|