2009 Fiscal Year Annual Research Report
劇的に変化する羽色変換戦略:中間的状態の不利益を実証する野外実験研究
Project/Area Number |
20770018
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
森本 元 Rikkyo University, 理学部, 研究員 (60468717)
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Keywords | 同性内選択 / 雄間闘争 / 色彩信号 / Delayed Plumage Maturation / ルリビタキ / Tarsiger cyanurus / 同性内二型 |
Research Abstract |
本研究では特徴的な色彩変化を示すルリビタキを材料に、その外観の色が、雄間闘争における信号としてどのように機能するかについての進化生物学・行動生態学的な研究を行った。本種の特徴は、地味な色彩(茶色)の雄が、後年、派手な色彩(青色)へと、劇的に外観が変化することである。雄間の闘争におけるこの特徴的な色彩信号の機能の検証を、昨年に引き続き野外実験によって検証した。具体的には、なわばりへの進入者に対するなわばり所有者の反応を検証するために、侵入者の色彩の程度によって、なわばり雄の攻撃性の変化を検出するための実験を行った。また、本テーマに関連する周辺の研究(本種の生理学的な研究及び、鳥類の色彩に着目した研究)を行った。 1. 野外調査地において、実験のための個体群の追跡観察および本実験を実行し、なわばり雄によるモデルへの攻撃反応を測定した。本年度は、昨年に引き続き野外実験を行い、サンプル数の増加に努めた。その結果からは、本研究の予測通りの傾向がうかがえた。 2. 対象種であるルリビタキの基礎生態についての結果を得、学会にて発表した。 3. 昨年に引き続き、ルリビタキの個体差に関する生理学的な研究を進めた。なお、本項については、共同研究者と共に既に論文を投稿中である。 4. ルリビタキの子への給餌における色彩刺激の反応に関する研究を共同研究者らと進めた(投稿準備中)。 5. 本研究で確立した色彩測定技術を用いて、鳥類の色彩についての研究を共同研究者と実施し論文化した。 以上、今年度は、本研究の主要テーマに加えて、派生的な研究についても進展をみた。また、論文等のアウトプットを達成できた。本研究課題は本年度で終了するが、今後は、本研究成果のさらなる発展と成果の公表に努める予定である。
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Research Products
(4 results)