2009 Fiscal Year Annual Research Report
花粉のオルガネラ可視化系を用いた新しいオルガネラ研究法の開発
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20770036
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松島 良 Okayama University, 資源生物科学研究所, 助教 (80403476)
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Keywords | 花粉 / ミトコンドリア / 蛍光蛋白質 / 可視化 / オルガネラ / シロイヌナズナ / 受精 / ライブイメージング |
Research Abstract |
本研究は、植物の半数体細胞である花粉におけるオルガネラ可視化系を用いて (1) 従来単離することが困難であったオルガネラ関連の新奇突然変異体の単離法の構築と (2) 従来観察が不可能であった花粉におけるオルガネラのライブイメージング解析 を行うことを目的としてしている。昨年までに(1)に関しては新知見を得、学術論文ならび学会発表を行っている。二年目(最終年度)である今年度は(2)に重点を置き、解析を進めた。 花粉の栄養細胞特異的に発現する遺伝子のプロモーターを単離し、シロイヌナズナの栄養細胞の色素体を可視化できるVC-ptGFP植物体を作出した。VC-ptGFP植物体と花粉ミトコンドリアをRFPで可視化できる植物体(VC-mtRFP)とを交配し、花粉においてミトコンドリアと色素体を別々の蛍光タンパク質により、同時に可視化できる系を開発した。また、シロイヌナズナの葉緑体分裂異常変異体(ftsZ変異体)とVC-ptGFP植物体とを交配し、ftsZ変異体の花粉での色素体の分裂異常の有無について調べた。その結果、葉緑体ほどではないが花粉の色素体においても分裂異常がひき起こされていることが分かった。花粉の色素体は、チラコイド膜はほとんど発達しておらず、デンプンを蓄積しているアミロプラスト様構造であった。本結果は、葉の葉緑体と花粉の色素体(アミロプラスト)の分裂機構が一部重複している可能性を示唆している。
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[Journal Article] Visualization of plastids in pollen grains : Involvement of FtsZl in pollen plastid division2009
Author(s)
Tang, L.Y., Nagata, N., Matsushima, R., Chen, Y., Yoshioka, Y., Sakamoto, W.
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Journal Title
Plant and Cell Physiology 50
Pages: 904 908
Peer Reviewed
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[Journal Article] GNOM-LIKEl/ERMOl and SEC24a/ERMO2 Are Required for Maintenance of Endoplasmic Reticulum Morphology in Arabidopsis thaliana2009
Author(s)
Nakano, R.T., Matsushima, R., Ueda, H., Tamura, K., Shimada, T., Li, L., Hayashi, Y., Kondo, M., Nishimura, M.
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Journal Title
Plant Cell 21
Pages: 3672 3685
Peer Reviewed