2008 Fiscal Year Annual Research Report
アカネ科における倍数体の起源および二型花柱性喪失と自殖の進化に関する研究
Project/Area Number |
20770073
|
Research Institution | Osaka Museum of Natural History |
Principal Investigator |
内貴 章世 Osaka Museum of Natural History, 学芸課, 学芸員 (30393200)
|
Keywords | 倍数化 / 二型花柱性 / 自家不和合性 |
Research Abstract |
交配実験では、沖縄本島において二型花柱性をもつアリドオシ属2倍体の3分類群(Damnacanthus biflorus, D. indicus, D. okinawensis)について、自家不和合性の検証を行うため、a.自家受粉、b.他家受粉、C.袋掛けのみ(自動自家受粉の検証)、d.めしべの除去(無配生殖の検証)、e.対照、の各操作を行った。また、a.自家受粉、b.他家受粉をさせてから24時間後、48時間後の花を70%エタノールで固定したのち実験室に持ち帰り、0.005%アニリンブルーリン酸2ナトリウム溶液(pH=11)による処理をして、蛍光顕微鏡による花粉管の観察を行った。この結果、これら2倍体の各種では強い自家不和合性が確認された。これは予備的に京都で行った4倍体の分類群(Damnacanthus macrophyllus)が自家和合性を持っていることと対照的であった。 分子系統樹構築においては、シークエンサーを利用できる日数に限りがあり、結果が出せないと判断したため、現在、解析対象の遺伝子領域、遺伝子間領域の増幅(PCR)を行い、21年度に解析することとした。そのかわり、21年度に予定していた根端を利用したFISH法の予備実験を先に行った。栽培保存をしている国内外の2倍体D. indicusについて、他植物由来のDNAをプローブとして18Sおよび5SrDNAのシグナルを観察した。この結果、18SrDNAはヘテロの可能性が示された。また18SはNOR領域(付随体)に、5SはNORを持つ染色体の末端に位置することが示唆された。これらの結果から、アリドオシ属におけるFISH法により倍数体起源の推定に利用できることが分かった。
|
Research Products
(1 results)