2009 Fiscal Year Annual Research Report
多能性関連分子Oct3/4が制御するマウス始原生殖細胞の分化決定システムの解明
Project/Area Number |
20770170
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡村 大治 Tohoku University, 加齢医学研究所, 助教 (80393263)
|
Keywords | マウス / 始原生殖細胞 / 分化決定 / 遺伝子欠損マウス / Oct3 / 4 / 多能性 / 転写抑制因子 / Rest |
Research Abstract |
本研究では、多能性関連分子Oct3/4が制御するマウス始原生殖細胞の分化決定システムの解明を目的とし、分化決定期に始原生殖細胞で発現を開始する分子の機能解析を行っている。現在までに、スクリーニングによって同定された候補遺伝子の中から、Oct3/4またはOct3/4と複合体を形成するSox2によって直接発現制御を受けることが明らかとなっている、Rest遺伝子とPL3-C6遺伝子(新規)の二つに絞って、遺伝子欠損マウスを作製した。 本年度、Rest遺伝子欠損胚を解析を行った結果、Rest欠損胚では発生初期(移動期)における始原生殖細胞の数が、正常胚と比較して、有意に減少していることを見出した。発生ステージのどこで影響が出始めるのか、詳細に解析したところ、始原生殖細胞の分化決定期には影響がなく、以降の移動期において、有意にその数が減少していた。Rest遺伝子は、転写抑制因子としての機能が報告されていることから、Rest欠損胚の始原生殖細胞においては、様々な遺伝子カスケードの発現が障害され、上記の表現型につながったものと予想される。 これまでに、多能性関連分子であるOct3/4遺伝子欠損胚においても、同様の表現型が報告されていることから、Rest遺伝子との遺伝学的な関連性が期待される。 また、PL3-C6遺伝子欠損マウスを作製し、その欠損胚を解析したところ、移動期までの始原生殖細胞の数・動態に、顕著な変化は認められなかった。現在、発生後期の始原生殖細胞における影響を解析中である。
|
Research Products
(1 results)