2009 Fiscal Year Annual Research Report
スモモの自家和合性に関わるS遺伝子の同定と和合化の機構解明およびその育種学的利用
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20780022
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
別府 賢治 Kagawa University, 農学部, 准教授 (30281174)
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Keywords | スモモ / S-RNase / SFB / 自家和合性 / PCR / Sハプロタイプ |
Research Abstract |
1. メスレーのS-RNase遺伝子およびSFB遺伝子の塩基配列の分析 自家和合性品種'メスレー'の花柱および花粉のcDNAのクローニングを行い、S^<b,>, S^<g,>,-RNase遺伝子およびSFB^<b'>, SFB^<g'>遺伝子の塩基配列を分析した。その結果、自家不和合性品種の正常なS遺伝子と比較して、S-RNase遺伝子およびSFB遺伝子に差異は認められなかった。上流の発現調節領域についてを分析を行う必要がある。 2. 自家和合性の遺伝様式の解明 自家和合性に関わるS^eハプロタイプを有する品種同士およびこれらと自家不和合性の品種との交配を行い、得られた実生のSハプロタイプを分析するとともに、自家和合性、不和合性を調査した。その結果、後代はS^eハプロタイプを有する個体と有しない個体に分離し、S^eハプロタイプを有する個体のみ自家和合性を示したことから、S^eハプロタイプによる自家和合性は後代にも遺伝子することが実証された。 3. 自家和合性個体選抜のための特異プライマーの作出 自家和合性に関わるS^eハプロタイプのS-RNase遺伝子の第2イントロンからこの遺伝子のみを特異的に増幅するPCRプライマーを作出した。すべての種類のSハプロタイプについてPCRを行ったところ、S^eハプロタイプを有する品種、系統のみバンドが増幅されたことから、その特異性が確認された。 このように、自家和合性のメカニズムや遺伝様式の解明が進展するとともに、自家和合性個体選抜のためのDNAマーカーが作出された。これにより、自家和合性品種の育種を効率的に行うことが可能となり、園芸的意義は非常に大きい。
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Research Products
(2 results)