2010 Fiscal Year Annual Research Report
スモモの自家和合性に関わるS遺伝子の同定と和合化の機構解明およびその育種学的利用
Project/Area Number |
20780022
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
別府 賢治 香川大学, 農学部, 教授 (30281174)
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Keywords | スモモ / S-RNase / SFB / 自家和合性 / PCR / Sハプロタイプ / 果実品質 |
Research Abstract |
1.メスレーの自家和合化に関わるS-RNase、SFB遺伝子の解明:メスレー(S^bS^g)を自家不和合性品種であるソルダム(S^aS^b)ホワイトプラム(S^fS^g)と正逆交雑した。メスレーの雌ずいにソルダム、ホワイトプラムの花粉を授粉したところ、ほとんど結実しなかった。一方、ソルダム、ホワイトプラムの雌ずいにメスレーの花粉を授粉したところ、十分に結実した。得られた後代実生のS遺伝子型は、ソルダム×メスレーでは、S^aS^b, S^bS^b,S^aS^g,S^bS^gに分離したことから、メスレーのS^b遺伝子による自家和合性は、花粉因子であるSFB^b遺伝子の異常によるものであることが示された。一方、ホワイトプラム×メスレーでは、後代実生のS遺伝子型は、S^bS^f, S^bS^g, S^fS^g, S^gS^gに分離した。このことから、メスレーのS^g遺伝子による自家和合性は、花粉因子であるSFB^g遺伝子の異常によるものであることが示された。 2.カラリの自家和合性に関わるS遺伝子の分析:自家和合性品種であるカラリのS遺伝子型を分析した結果、S^bS^tと判明した。新たに発見されたS^t遺伝子のクローニングを行って、塩基配列を明らかにした。カラリの自家受粉を行って、得られた実生のS遺伝子型を分析したところ、S^bS^b, S^bS^t,S^tS^tの3タイプに分離したことから、自家和合化にはS^b, S^t遺伝子ともに関わっていることが示された。 3.自家和合性で果実品質の優れた品種の育成:これまで作出した多くの交配実生のうち、自家和合性選抜マーカーによるPCRで自家和合性であることが確認された個体について、果実品質の調査を行った。このうち、ソルダムとサンタローザ、ビューティの交配実生の一部に自家和合性でかつ果実品質の優れた系統が得られた。今後、これらを栄養繁殖して後代の果実形質も調査し、最も優れるものを品種登録する予定である。
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Research Products
(6 results)