2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物病原性糸状菌および卵菌の病原性発現における活性酸素生成の役割
Project/Area Number |
20780032
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹本 大吾 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 助教 (30456587)
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Keywords | 共生菌 / 植物病原菌 / 細胞極性 / 活性酸素生成酵素 |
Research Abstract |
1. 活性酸素生成酵素NoxAの新たな制御因子の単離 E. festucaeの活性酸素生成酵素NoxAとその制御因子NoxR、RacAが共生時の植物内での菌糸生育の制御に重要であることをこれまでに示している。NoxRは、RacAとの結合に必要なTPRドメイン、NoxA活性化ドメインをN末端側に保持し、C末端には機能未知なタンパク質相互作用ドメイン(PB1)を持つ。PB1ドメインは他のPB1ドメインと結合することが知られていることから、E. festucaeのゲノム配列から見いだされたPB1ドメインを持つ4つのタンパク質がNoxRのPB1ドメインと結合すると推定された。Yeast two hybrid 法によりNoxR-Cdc24、Cdc24-Bem1、NoxR-NoxRの組み合わせで結合することが示され、Cdc24, Bem1が新たなNoxA制御因子として同定された。 2. 新規NoxA制御因子の細胞内局在性の解析 新たに単離したNoxA制御因子Bem1、Cdc24およびこれまでに単離したNoxR、RacAとGFPの融合タンパク質をE. festucaeで発現したところ、これらタンパク質は菌糸先端に局在し、特にNoxRは菌糸が伸長時にのみ菌糸先端に局在化することが解った。この結果は、これらNoxA制御因子が菌糸先端での活性酸素生成に関与することを示唆した。 3. 新規NoxA制御因子のBem1の機能解析 Bem1およびCdc24の遺伝子破壊ベクターを作製し、破壊株の単離を試みたところ、Bem1でのみ破壊株か単離された。この結果は、Cdc24が糸状菌の生育に必須である事を示していると考えられた。bem1破壊株を宿主植物であるペレニアルライグラスに接種したところ、noxA破壊株、noxR破壊株と同様に宿主植物の矮化が認められ、Bem1がNoxAの制御因子であり事が強く示唆された。
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