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2009 Fiscal Year Annual Research Report

カンボジアにおける農村から都市への若年出稼ぎ労働者による家族形成に関する研究

Research Project

Project/Area Number 20780168
Research InstitutionHannan University

Principal Investigator

矢倉 研二郎  Hannan University, 経済学部, 准教授 (20454647)

Keywordsカンボジア / 労働移動 / 結婚 / 家族形成 / 相続制度 / 農村社会
Research Abstract

本研究の目的は、カンボジアにおける農村から都市への若年出稼ぎ労働者による家族形成の決定要因を明らかにするとともに、若年出稼ぎ労働者による家族形成と農村の社会経済構造や土地相続制度との間の相互規定関係を把握することである。この目的を達成するため、首都プノンペンにおいて農村出身の若年出稼ぎ労働者(計400名)に対する聴き取り調査を、プレイベン州、ポーサット州の計3村において世帯調査(計574世帯)を行った。それらを通じて得たデータとその分析により、以下の結果を得た。
第1に、家族への愛着や親を助ける責任感ゆえに、出稼ぎした若者の多くは故郷に帰るつもりであり、そしてそれゆえに同郷の相手と結婚を希望している。事実、出稼ぎした若者の多くは故郷に帰り、同郷の相手と結婚している。また、「相手の家族も近くにいる」ということが同郷の異性との結婚を望む理由となっており、カンボジア農村における家族の紐帯の重要性を示している。
第2に、しかしながら、出稼ぎは、出会いの機会の提供を通じて他州出身者同士の結婚を増やしており、その結果として、そのまま出稼ぎ先や結婚相手の故郷に住むという形で、若者の離村を促している。出稼ぎ後に他州出身者と結婚し、離村する確率がとくに高いのは、土地なし・零細農家の子どもである。いわば、貧困家庭の子どもは他所へ新天地を求めているわけであるが、この戦略は、家族の紐帯を弱めるという副作用を伴う恐れがある。
第3に、こうして離村した子どもは、親から農地を相続しない確率が高い。しかし親のほとんどが「子ども全員に土地を分け与える予定」と回答しており、事実、結婚後も村に住む子どもにはほとんどの場合土地が分与されている。したがって、出稼ぎを契機とした子どもの通婚圏の拡大や離村にも関わらず、農地の均分相続制度はまだ基本的には維持されており、カンボジアでの農地の細分化は今後も続くと予想される。

  • Research Products

    (1 results)

All 2009

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] カンボジアにおける出稼ぎ労働者の結婚相手に関する選好―都市に出た若者の帰村意思と希望する相手の出身地の関係―2009

    • Author(s)
      矢倉研二郎
    • Organizer
      地域農林経済学会
    • Place of Presentation
      高崎経済大学
    • Year and Date
      2009-10-25

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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