2009 Fiscal Year Annual Research Report
作物根の自己土壌改良効果を考慮した畑地の消費水量の定量化
Project/Area Number |
20780176
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
弓削 こずえ Kyushu University, 大学院・農学研究院, 助教 (70341287)
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Keywords | 作物根 / 透水性 / 保水性 / 土壌水分 / 消費水量 / シミュレーションモデル |
Research Abstract |
今年度は,作物根が土壌中の水分を吸収することによって生じる根の膨張と,乾燥過程における収縮によって生じる土壌改良効果を評価した.まず,透明のアクリル製のスリットを作成し,これに土壌を充填して作物を栽培して作物根の伸張状況および根群分布を可視化した.また,作物根に小型ひずみゲージを設置し,作物根の伸張によって生じる土壌構造の変化を継続的に評価した.さらに,根群域付近の土壌を小領域に分割してサンプリングし,飽和および不飽和透水試験を実施した.また,同サンプルを用いて水分特性曲線を求め,作物根が土壌の透水性および保水性に及ぼす影響を解明した.さらに,これらのサンプルに含まれる根量を求め,作物根含有量と,透水性および保水性の関係を明らかにした.これらの試験は,多種の作物について,生育ステージ初期から終期にかけて連続して行った. さらに,これらの作物個体に灌水して作物根の吸水に伴う根の膨張過程を確認し,これによる土壌改良効果を評価した.膨張過程の土壌をサンプリングし,透水試験を実施するとともに水分特性曲線を作成して膨張過程における透水性および保水性を確認した。また,土壌の乾燥に伴って根は収縮するが,このような収縮過程においても同様の実験を行う. この結果を用いて,土壌中の水分および熱輸送のシミュレーションモデルを構築し,作物根が土壌物理性に及ぼす影響を考慮した土壌水分動態モデルを構築し,消費水量を定量的に評価した.
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Research Products
(3 results)