2008 Fiscal Year Annual Research Report
キャベツの物理的性状の把握と形態形成プロセスの解明
Project/Area Number |
20780182
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
福島 崇志 Mie University, 大学院・生物資源学研究科, 助教 (00452227)
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Keywords | キャベツ / セル成型苗 / 倒伏 / 大たわみ / 曲げ剛性 |
Research Abstract |
本年度は, キャベツ株の倒伏に関して生育初期での倒伏を考慮し, セル成型苗の力学的特性の計測システムを構築し, データ取得に基づく苗の倒伏性に関して研究を行った. 苗の硬さの指標として材料のヤング率及び断面形状により決定される曲げ剛性を導入し, 4品種および3種のセルトレイのセル成型苗について計測した. 計測では, 3点支持曲げ試験を行い, 負荷とたわみのデータより, 大たわみ式を用い苗胚軸部の曲げ剛性を同定した. その結果, 品種・セル容積の違いによる生長の差異と曲げ剛性が苗胚軸径と苗地上部生体重と相関が高いことが確認された. また, 梁のモデルを作成しセル成型苗の大たわみシミュレーションを行った結果, セル成型苗が育苗中期以前に自重により倒伏する可能性が示された. 本年度は自重による倒伏性を明らかにしたが, 今後は隣接苗の相互作用や圃場定植後の雨風の影響等を検討する必要がある. 従来, 作物では金属材料等に用いられる微小たわみを仮定した理論が用いられ耐倒伏性を検討してきた。本研究では, 作物が比較的柔らかく大変形することから大たわみ式を導入した計測システムおよびシミュレーションを作成した点に今後の作物力学の理論展開として研究の意義を見出した. さらに, 主要穀物の倒伏に関しては多くの成果が見られ, 移植・収穫機開発へ貢献してきたが, 野菜に関しては開発段階にあり対象作物との力学的相互作用解明に資する作物の力学が必要である. その点に関しても本研究成果の重要性が窺える.
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Research Products
(3 results)