2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20780207
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伴 智美 Mie University, 大学院・生物資源学研究科, 助教 (90378323)
|
Keywords | 水牛 / 牛 / 脂質代謝 / レプチン |
Research Abstract |
これまでの試験から、水牛の血中レプチン、インスリンおよびコレステロール濃度が牛の二分の一から三分の一程度であることがわかっており、牛と水牛で脂質代謝に違いがあることが示唆されている。本試験では牛と水牛の糖質・脂質代謝の違いを明らかにするため、グルコース、インスリンおよびノルアドレナリンを静脈内に投与してその反応を調査した。実験動物として、牛および水牛を5頭ずつ供試した。牛と水牛は2週間馴致させた後、グルコース(0.2g/kg体重)、インスリン(0.1U/kg体重)およびノルアドレナリン(0.01mg/kg体重)をそれぞれ投与した。静脈内へのグルコース負荷後のグルコース濃度の低下速度には品種による差は認められなかったが、グルコース負荷後のインスリン濃度は牛で高い値を示した。インスリン投与では、投与後両種ともグルコース濃度は低下したが、水牛と比べて牛ではその低下濃度は低く、インスリン感受性が水牛と比べて牛の方が低かった。グルコース負荷によるインスリン分泌の亢進やインスリンの感受性の低下はヒトでの肥満の進行に伴って増加するため牛の方が水牛と比べて脂肪、特に内臓脂肪が多いかもしれない。ノルアドレナリン投与により、血漿中TGおよびNEFA濃度に品種間差は認められなかった。 本研究においてグルコース投与によるインスリン濃度の違いやインスリンの感受性の違いが牛と水牛みられたことから、今後さらに、脂質代謝における品種間差をみるため脂肪細胞の大きさの違いや脂肪組織でのレプチンやSCD-1(Stearoyl-CoA Desaturase-1)の発現の違いについて調査する。
|