2008 Fiscal Year Annual Research Report
炎症応答および炎症性腸疾患におけるインターロイキン-19の役割
Project/Area Number |
20780209
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
東 泰孝 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 准教授 (50298816)
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Keywords | IL-19 / 炎症性腸疾患 / マクロファージ / TLR / サイトカイン |
Research Abstract |
平成20年度は、インターロイキン-19(IL-19)遺伝子欠損マウス(KO)を用いてデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発性急性大腸炎モデルを作製し、炎症性腸疾患におけるIL-19の役割について検討を行った。野生型マウス(WT)およびIL-19KOにDSS(分子量36, 000-50,000)を飲水にて7日間与え、その後、普通水に戻した。飲水開始後は、体重、便の固さ、および血便の有無を14日間モニタリングした。飲水開始後、遠位結腸を採材した後、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色により炎症の程度を観察した。炎症の評価はブラインドにて病理学者により行った。その結果、飲水開始14日後までの生存率を比較検討したところ、IL-19KOはWTと比べて感受性が高く、それに伴うマウス個体の生存率も低くなることが明らかとなった。また、体重減少、血便の有無、下痢の程度、いずれもIL-19KOの方がWTよりも酷いことが明らかとなった。次に、飲水開始5日後について遠位結腸部位のHE染色像を観察したところ、IL-19KOではWTよりも上皮細胞の欠損が多く、加えて炎症性細胞の浸潤も顕著に増加するなど、炎症の明らかな悪化が認められた。以上の結果より、DSS誘発性急性大腸炎モデルにおいて、IL-19遺伝子欠損に伴い炎症の悪化が起こることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)