2008 Fiscal Year Annual Research Report
ニワトリのグレリン受容体ファミリーを介する消化管機能調節機構の解明
Project/Area Number |
20780211
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
山本 一郎 Nippon Veterinary and Life Science University, 獣医学部, 助教 (00424763)
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Keywords | シグナル伝達 / 生理学 / 生理活性 / 発生・分化 |
Research Abstract |
本研究はグレリン、モチリンというペプチドホルモンとそれら受容体の生理機能に着目し、両ホルモンの腸管調節機構の解明を目的とするものである。特にモチリンは消化管ホルモンとして腸のぜん動運動を制御するが、マウス・ラット等の齧歯類はこのモチリンが機能していないことからも、小型で汎用性に優れるニワトリはグレリン・モチリンを含めたグレリンペプチドファミリーの共役的な生理作用の解明に最適な実験動物であり、本申請課題の遂行により明らかにされる多くの知見は他動物種のグレリンペプチドファミリーの研究に大きく寄与するものである。 十二指腸からそれぞれ粗蛋白質およびtotal RNAを抽出し、モチリンアンタゴニストおよびグレリンの影響をゲノミクスあるいはプロテオミクスにより解析する。具体的には投与済み組織片からtotal RNAを抽出し、PCR-Select cDNAサブトラクションキットによるディファレンシャルディスプレイ法による処理により発現量に差を有する遺伝子のクローニングを行う。また同組織片から粗蛋白質を抽出し、Dyeラベル法を用いた二次元電気泳動により異なる移動パターンを有する分子種のスポッティングおよびMALDI-TOFMSによる質量解析を予定している。通常、内蔵平滑筋の場合、細胞内へCa^<2+>の流入が増加することによりカルモジュリン依存性ミオシン軽鎖キナーゼが活性化され、ミオシンのリン酸化が誘導された結果、ミオシンのアクチンへの結合とミオシンATPaseの活性化により平滑筋の収縮が起こる。このため得た粗蛋白質抽出液からウエスタンイムノブロッティングにより各種キナーゼのリン酸化検出を行い、細胞内シグナル伝達様式も同時に解析する。前年度研究成果および上記本年度実施計画に基づき、原著論文を作成し発表する。
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