2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造電極界面を用いたCYPの電気化学酵素反応制御法の開発と応用
Project/Area Number |
20790048
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
三重 安弘 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ゲノムファクトリー研究部門, 研究員 (00415746)
|
Keywords | ヒトシトクロムP450(CYP) / 薬物代謝 / ナノ構造界面 / スパッタリング法 / 微粒子集積界面 / 電気化学酵素反応 / 電解合成 / 有用物質生産 |
Research Abstract |
個人に対応した安全で有効な薬物療法の実現において、ヒト薬物代謝酵素(CYP)の薬物及び薬物候補化合物に対する代謝活性を計測することは非常に重要である。本研究では、安価な電極を電子源かつ検出プローブとして利用し、従来よりも低コストで迅速簡便にCYP活性を駆動・計測する技術の開発と応用を目指す。本年度は、電極界面ナノ構造とCYP酵素の電気化学反応効率の相関の詳細な検討と、本研究過程で見出したCYP酵素反応制御(駆動)に有用なナノ電極界面を用いた酵素反応解析を主に行い、以下の成果を得ることができた。 1. 種々の方法を用いて作製した様々なナノ構造電極界面を用いてCYPの電極反応を調べたところ、酵素サイズのナノ窪みを有する界面がCYPの電気化学応答に非常に有用であることが明らかになった。また、汎用的なスパッタリング法を用いて同界面を作製及びCYPの電気化学駆動に成功し、工業利用にも有意であることを示すことができた。 2. 上記ナノ構造電極を用いて、ヒトCYPの主要な分子種であるCYP3A4及び2C9の電気化学酵素反応解析を行い、既存の方法で得られている値と同等な酵素反応パラメータを算出できることを実証できた。 3. CYP3A4を固定化したナノ構造電極を用いてテストステロンの電解反応を検討分析したところ、6β水酸化テストステロンが主要反応生成物として確認され、電極(電圧)駆動による医薬品代謝物の簡便な合成を行えることが示された。
|