2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規癌抗原OFA-iLRPを標的とした肺癌に対する腫瘍特異的免疫療法の検討
Project/Area Number |
20790136
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
阿部 真治 The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00403717)
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Keywords | トランスレーショナルリサーチ / 癌 / 免疫療法 / 癌抗原 |
Research Abstract |
新規癌抗原であるOncofetal antigen immature laminin receptor protein (OFA-iLRP)は多くのヒト肺癌細胞株に発現する事より、肺癌に対する腫瘍特異的免疫療法の有望な標的であると考えられる。本研究ではOFA-iLRPを標的とした腫瘍特異的免疫療法の臨床応用の可能性について評価する事を目的としている。 平成21年度は平成20年度に引き続き、OFA-iLRP特異的抗体を用い抗体依存性細胞障害(ADCC)、ならびに補体依存性細胞障害(CDC)について検討を行った。ターゲット細胞としてOFA-iLRP高発現肺癌細胞株、エフェクター細胞としてヒト単核球細胞を用い種々の実験条件でADCCの測定を試みたが、今回の特異的抗体ではADCC活性は認められなかった。またCDC活性に関しても同様であった。次にOFA-iLRP特異的細胞障害性T細胞(CTL)の誘導について検討を行ったところ、OFA-iLRP由来ペプチドで刺激した樹状細胞によりCTLの誘導が認められた。癌抗原由来ペプチドによるCTL誘導の確認は、進行性肺癌に対する癌ワクチンや樹状細胞療法の確立につながると考えられ、非常に有益な結果が得られたと考えられる。
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