2009 Fiscal Year Annual Research Report
赤痢アメーバの貪食過程に関わるイノシトールリン脂質を介した分子機構の解明
Project/Area Number |
20790323
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
津久井 久美子 National Institute of Infectious Diseases, 寄生動物部, 主任研究官 (00420092)
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Keywords | 感染症 / イノシトールリン脂質 / 小胞輸送 / 赤痢アメーバ / 貪食 / RhoGEF / Rac / PtdIns4P |
Research Abstract |
腸管寄生性原虫赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)における貪食過程に関与するイノシトールリン脂質シグナルについて解析を行った。前年度に明らかにしたFYVEドメインとRhoGEFドメインを持つEhFP4分子の解析データを論文発表した(Nakada-Tsukui et. al., Cell. Microbiol., 2009)。この解析からEhFP4はFYVEドメインではなくこれより下流のC-末端領域でPI4Pに結合することを示した。そこでPI4Pに結合することが知られるEAPP1とOSBPのPHドメインにGFPを融合し、赤痢アメーバでの局在を検討した。しかし定常的発現が難しく、さらにテトラサイクリンによる発現誘導系を導入しても発現量の改善が見られなかった。発現レベルが低い中でも発現細胞における局在の検討を試みたが、細胞膜への局在がみられず、細胞全体にGFPのシグナルが観察された。赤痢アメーバにおいて脂質結合ドメインの立体構造が上手く保てなかったのか、赤痢アメーバのPI4P量が少なく、特異的局在を検出するに至らなかったのか、PI4Pに対する抗体を用いて検討中である。また、PI3Pに結合する分子の同定を試みた。PI3PまたはPIを固層化したビーズを用いて共沈するタンパク質を検索したが、結合するたんぱく質が検出されなかった。そこでPI3Pを含むリボソームを用いた実験系を試みた。しかしバックグラウンドが高くなり、やはり特異的結合タンパク質を同定するに至らなかった。PI3P結合タンパク質は少なくとも貪食胞上に集積することから、ビーズやリポソームと反応させる材料を貪食胞膜上から精製するなど、より感度のよい検索方法を確立する必要がある。
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Research Products
(17 results)