2008 Fiscal Year Annual Research Report
劇症型溶連菌感染症臨床分離株で発現が増加している毒素の機能とその発現機構の解明
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20790345
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
池辺 忠義 National Institute of Infectious Diseases, 細菌第一部, 主任研究官 (20333362)
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Keywords | 劇症型溶連菌感染症 / Streptococcus pyogenes |
Research Abstract |
劇症型溶連菌感染症臨床分離株の分泌蛋白質を調べたところ、共通して、ストレプトリジンO (SLO)の分泌量が、咽頭炎などの非劇症型感染症臨床分離株と比較して、高いことが判明した。今までの研究で、劇症型感染症臨床分離株において、二成分制御系のセンサー蛋白質であるCsrSに変異があることが分かっているが、劇症型感染症臨床分離株の中には、このcsrS遺伝子に変異がみられない株が存在することが明らかとなった。そこで、分子疫学上クローナルである劇症型溶連菌感染症臨床分離株NIHlと咽頭炎患者分離株患者K33のゲノムを比較するため、それぞれのゲノムDNAを抽出し、一塩基多型解析(SNPs解析)を行った。それぞれの株におけるゲノムの塩基配列の違いを見出した後、リシークエンスによりゲノム上の塩基配列の違いを決定した結果、劇症型溶連菌感染症臨床分離株において、共通して転写因子をコードするrgg遺伝子に変異が起きていることが判明した。劇症型溶連菌感染症臨床分離株において、どの程度この遺伝子に変異が起きているか調べるため、このrgg遺伝子を含む領域をPCRにより増幅し、塩基配列を決定した。rgg遺伝子の変異は、劇症型溶連菌感染症臨床分離株の約25%を占めていた。また、咽頭炎などの非劇症型感染臨床分離株では、3.4%しかこの遺伝子に変異が見られず、有意に劇症型感染症臨床分離株においてrgg遺伝子に変異がみられることが判明した。このことから、このrgg遺伝子の変異は、劇症型感染症に重要な役割をしていることが考えられた。
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Research Products
(6 results)