2009 Fiscal Year Annual Research Report
劇症型溶連菌感染症臨床分離株で発現が増加している毒素の機能とその発現機構の解明
Project/Area Number |
20790345
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
池辺 忠義 National Institute of Infectious Diseases, 細菌第一部, 主任研究官 (20333362)
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Keywords | 劇症型溶連菌感染症 / Streptococcus pyogenes |
Research Abstract |
前年度の研究で、劇症型溶連菌感染症臨床分離株において、病原性遺伝子の発現を制御しているcsrS/csrR遺伝子に変異のある株のほかに、rgg遺伝子に変異がある株が存在することが判明した。本年度は、rgg遺伝子の変異が、in vivoで病原性に影響を与えるか調べるため、マウスをもちいた動物実験を行った。まず、劇症型溶連菌感染症臨床分離株(NIH34)、咽頭炎患者分離株(K33)をもとに、劇症型溶連菌感染症臨床分離株にintactのrgg遺伝子を導入した相補株(NIH34rgg+)、咽頭炎患者分離株のrgg遺伝子を破壊した株(K33rgg)を作成した。これらの株についてマウスに対する生存曲線を調べた。その結果、rgg遺伝子に変異のある株(NIH34,K33rgg)は、変異のない株(K33,NIH34rgg+)に比べて致死率が高いことが判明した。また、それぞれの菌を腹腔内に接種し、1日後の腎臓を摘出し、ホルマリン固定後、HE染色により、それぞれの臓器の病理像を観察した結果、rgg遺伝子に変異がある株(NIH34,K33rgg)を接種したマウスで菌の集積がみられ、その周りに細胞の壊死がみられた。それぞれの菌を皮下接種した後、マウスの腫脹の大きさを経時的に測定した結果、rgg遺伝子に変異がある株(NIH34,K33rgg)を接種したマウスのほうが、変異のない株に比べ、腫脹が広がり、病巣が広範囲に広がっていることが判明した。劇症型感染症では、好中球の浸潤がみられないことが臨床的にみられる。そこで、好中球に対する影響を調べた結果、rgg遺伝子の変異株において、好中球の殺傷能の増加がみられた。このことから、rgg遺伝子の変異は、分子疫学的にも、マウスを用いた動物実験においても、劇症型感染症に重要な役割をしていることが示唆された。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] T serotyping of Streptococcus pyogenes in Aichi Prefecture, Japan isolated between 2003 and 2007.2009
Author(s)
Matsumoto M, Yamaguchi I, Sasano M, Hori M, Ikezaki K, Shimizu S, Nishiyama Y, Sato N, Tsuchiya H, Suzuki M, Minagawa H, Working Group for Beta-Haemolytic Streptococci in Japan.
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Journal Title
Japanese Journal of Infectious Diseases Vol.62
Pages: 168-169
Peer Reviewed
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