2009 Fiscal Year Annual Research Report
医学部入学者選抜における態度評価項目・尺度の妥当性に関する研究
Project/Area Number |
20790390
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
大塚 智子 Kochi University, 教育研究部・医療学系, 助手 (70335933)
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Keywords | 入学者選抜 / AO入試 / 医学科 / 態度・習慣領域評価 |
Research Abstract |
コミュニケーション能力の低下など医学生の「情意・技能面」に関する能力の低下は,現在われわれが直面する問題の°つである。こうした問題は,入学後の教育によっても改善が難しく,したがって入学時での選別の必要性が叫ばれている。本研究では,高知大学医学部が行う態度・習慣領域評価型の入試(AO入試)のデータをもとに,入学者の動向を在学中,卒業後まで長期にわたり継続的に追跡調査・解析し,態度評価の評価項目と評価尺度の妥当性を検証するものである。今年度は,平成15年度AO入試入学者について,6年間の動向をさらに詳細に解析した。結果,学生間ピア・レヴューは2年次よりも6年次スコアに,より選抜時態度評価との正の相関が高く顕著となった(r=0.53)。また,入試選抜ごと(AO,教科型方式,問題解決能力試験方式)に比較した結果,2年次ピア・レヴュースコアはAO入試入学者群が問題解決能力試験方式群に比較し有意に高いことが明らかとなった(p<0.05)。ピア・レヴュー項目によっては教科型方式群との間にも有意差が認められている。6年次スコアの解析では,選抜群間に有意差は認められなかった。この原因として,AO入試以外の他選抜でのみ見られた留年・退学者のデータを排除したことが考えられる。そこでこれら留年・退学者について解析を進めたところ,ピア・レヴュースコアは他の学生に比較し有意に低いことが判明した(p<0.01)。AO入試選抜時の評価項目・尺度が「情意・技能面」に関する能力評価だけでなく,留年・退学者の判別にも有用であることが示唆された。今後,臨床研修先での評価も含め検討し,解析を進めたい。
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