2011 Fiscal Year Annual Research Report
アジアの高齢者の終末期医療をめぐる事前指示に関する国際比較研究
Project/Area Number |
20790394
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
鶴若 麻理 聖路加看護大学, 看護学部, 准教授 (90386665)
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Keywords | アジア / 高齢者 / 事前指示 / 終末期医療 |
Research Abstract |
本研究「アジアの高齢者の終末期医療をめぐる事前指示に関する国際比較研究」では、日本、シンガポール、台湾、韓国の終末期医療の現状把握と高齢者の終末期ケアの意思決定に関連するリビングウィルについて、現状と課題を明らかにし、わが国の終末期医療をめぐる事前指示について検討することである。 昨年度までに実施した日本、台湾、シンガポール、韓国における高齢者の終末期医療をめぐる事前指示に関する文献研究と資料収集を最終的にまとめ、ヒアリング調査の結果を分析した。さらに平成23年度前半で、補足的に台湾のリビングウィルに関する法律や高齢者の終末期ケアの事前指示に関する文献収集、および生命倫理に関する各国の法律や国家委員会について、現地および日本国内で調べた。 文献調査およびヒアリング調査によれば、医療における事前指示に関する法律が制定されているのは、シンガポール、台湾であり、中国および韓国、日本には法律は制定されていない。各国ともに、高齢化の進展という時代状況のなかで、高齢者の終末期医療について、あらかじめ高齢者自身で自らに実施される医療について指示しておくという考え方、つまり医療における事前指示は重要であると考えられていた。しかし、一般の人々の考え方としては、延命治療が何を意味するのか、そのイメージは多種多様であった。終末期医療の選択という最終的なポイントに焦点化するというよりは、プロセスを重視する事前にケア計画を考えていくというアドバンスケアプランニングという考え方の導入が期待された。
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Research Products
(7 results)