2008 Fiscal Year Annual Research Report
ピロリ菌と胃粘膜萎縮発生における遺伝子環境交互作用に関する研究
Project/Area Number |
20790422
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菱田 朝陽 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 研究員 (40447339)
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Keywords | 胃がん / 胃粘膜萎縮 / がん予防 / 遺伝子・環境交互作用 / 遺伝子多型 / ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌) |
Research Abstract |
本研究では、胃がんの前がん病変である胃粘膜萎縮の発生リスクにおける種々の遺伝子多型とピロリ菌感染の有無、喫煙、飲酒などの生活要因との遺伝子・環境交互作用について解析を行い、日本人における個々人の体質に合った胃粘膜萎縮・胃がんの予防法を確立することを目的としているが、研究代表者らは本研究において、これまでにピロリ菌毒素であるcag Aに関連する遺伝子PTPN 11の遺伝子多型、PTPN 11 G/A at intron 3のAアレルを持つ群で有意に重症胃粘膜萎縮のリスクが低下する事を多数例において確証し(投稿中)、また、ピロリ菌毒素cag Aと結合し、がん遺伝子・がん抑制遺伝子の変異を起こす事が報告されたAICDA遺伝子の7888 C/T多型のTアレルを持つ群で有意に萎縮が起こりにくい事を見出した(投稿中)。また、ピロリ菌が結合する自然免疫に関わる受容体、TLR4の+3725 G/C多型のCアレルを持つ群で有意に重症萎縮のリスクが高いことを報告した(Hishida A, et al., Helicobacter 2009 ; 14 : 47-53)。また、この他にも胃がんの発症においてメチル化が認められ、マウスの胃がん発生との関連が報告されているRUNX 3遺伝子の多型についても検証し、胃粘膜萎縮発生リスクとは関連が無い事を見出し、投稿中である。今後、各種の生活要因との関連も含め、ピロリ菌関連胃粘膜萎縮発生リスクに関する遺伝子多型について更に検討していく予定である。
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Research Products
(4 results)