2009 Fiscal Year Annual Research Report
ピロリ菌と胃粘膜萎縮発生における遺伝子環境交互作用に関する研究
Project/Area Number |
20790422
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菱田 朝陽 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 研究員 (40447339)
|
Keywords | 胃がん / 胃粘膜萎縮 / がん予防 / 遺伝子・環境交互作用 / 遺伝子多型 / ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌) |
Research Abstract |
本研究では、胃がんの前がん病変である胃粘膜萎縮の発生リスクにおける種々の遺伝子多型とピロリ菌感染の有無、喫煙、飲酒などの生活要因との遺伝子・環境交互作用について解析を行い、日本人における個々人の体質に合った胃粘膜萎縮・胃がんの予防法を確立することを目的としているが、研究代表者らは本研究において、これまでにピロリ菌毒素であるcagAに関連する遺伝子PTPN11の遺伝子多型、PTPN11 G/A at intron 3のAアレルを持つ群で有意に重症胃粘膜萎縮のリスクが低下する事を多数例において確証し(Hishid a A, et al., BMC Gastroenterol 9 : 51, 2009)、また、ピロリ菌毒素cagAと結合し、がん遺伝子・がん抑制遺伝子の変異を起こす事が報告されたAICDA遺伝子の7888 C/T多型のTアレルを持つ群で有意に萎縮が起こりにくい事を見出した(Hishida A, et al., Gast ric Cancer 2010 (in press))。また、胃粘膜上皮の発生・分化に関与する遺伝子、RUNX 3の遺伝子多型(RUNX3 T/A polymorphism at intron 3)が胃粘膜萎縮の発生に関与することを世界に先駆けて明らかにした(Hishida A et al., J Gastroenterol 44 : 1165-71, 2009)。また、この他にも14遺伝子、18多型について遺伝子型決定を既に終了している。
|
Research Products
(7 results)