2009 Fiscal Year Annual Research Report
職業性アスベスト曝露集団の死亡リスクに関する歴史的コホート研究
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20790446
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
冨岡 公子 Nara Medical University, 奈良県立医科大学医学部, 助教 (20393259)
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Keywords | 石綿 / アスベスト / 歴史的コホート研究 / 職業性曝露 / 死亡リスク / SMR / 産業保健 / 疫学 |
Research Abstract |
【目的】石綿曝露による長期健康影響を検討する目的で、某造船所で石綿曝露を伴う作業に従事していた元労働者を対象とした歴史的コホート研究を1995-1996年に実施した。今回、その後の追跡調査を行なった。【対象】過去の在職者名簿等を基に、石綿曝露を伴うボイラー修理工(以下B工)または断熱工(L工)として、半年以上の就労経験のあった者全員(男性249名)である。【方法】戸籍により生死を確認し、死亡者については死亡診断書からICD10の定める手順に則り原死因を判定した。標準集団とした全国の日本人男性の1950年から2005年までの国勢調査年における5歳年齢階級別死亡率と対応する合計人年とから期待値を算出し、観察値を期待値で割ってSMRを求め、ボアソン分布に従いその95%または90%の信頼区間を求めた【結果】調査期間中に、生死の確認が出来た者はL工が87名(96.7%)、B工が150名(94.3%)で、死亡者がそれぞれ63名(72.4%)と92名(61.3%)、新たな死亡者がそれぞれ14名と27名発生した。両職種とも全死因、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患の有意な過剰死亡は認められなかった。喉頭癌および新たな悪性中皮腫は発生がなかった。L工では悪性中皮腫による死亡はなかったが、肺癌の有意な過剰死亡と石綿肺死亡が認められた。B工では肺癌のSMRは有意な上昇ではなかったものの、悪性中皮腫、石綿肺による死亡例が観察された。【結論】本研究により、肺癌および呼吸器系疾患の有意な過剰死亡リスクを再確認した。しかし、石綿関連死亡疾患として重要な中皮腫については新たな発生はなく本コホートでの発生状況は1名のみであった。喉頭癌は発生がなかった。1947年から2007年末まで調査を行い、コホートの3分の2の死亡を確認することが出来た本研究は、職業性石綿曝露による過剰死亡リスクを評価する上で重要な研究を行えたと考える。
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Research Products
(2 results)