2010 Fiscal Year Annual Research Report
中性脂肪合成酵素をターゲットとした肝脂肪化、線維化、癌化の研究。
Project/Area Number |
20790503
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山口 寛二 京都府立医科大学, 医学部, 助教(寄付講座) (50381950)
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Keywords | DGAT / 肝脂肪化 / 肝線維化 / 肝発癌 |
Research Abstract |
目的:DGAT2の肝脂肪化改善作用、DGAT1の抗線維化作用を期待して、マウス脂肪肝モデルにおいてアンチセンスオリゴを用いてDGAT1,2の発現を同時に抑制した。 計画・内容・結果 具体的には、DGTA1,2同時抑制モデルで、肝臓の脂肪化については肝臓の中性脂肪含有率、脂質合成系、代謝系遺伝子の検討を、炎症については、血清生化学検査、アポトーシスの評価、過酸化脂質の評価を検討した。線維化に関しては、シリウスレッド染色、線維化マーカーの発現により検討したが、明らかな差は見られなかった。DGAT1の抗線維化作用はレチノイド代謝を介する間接的なものと予想され、その効果は弱く打ち消された可能性があると考えられた。また肝臓ではDGAT2の発現が優位で影響が強く、DGAT2単独抑制の場合とほぼ同様の結果となった。 今後はDGAT1,2抑制の割合を調節する必要があると考えられた。脂肪化抑制と線維化を別の事象と考え、別個に同時抑制を行うことで、脂肪性肝炎だけでなく慢性C型肝炎などの脂肪化、炎症、線維化を伴う肝炎においてもその病態を改善させる可能性があると考えられ、その点に重きをおいて検討課題としたい。そこで、人の慢性C型肝炎類似のモデルはマウスでは作成困難であることからCCL4少量持続慢性肝炎モデルでDGAT1,DGAT2抑制しその効果を検討していく予定である。
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Research Products
(1 results)