2009 Fiscal Year Annual Research Report
悪性リンパ腫におけるがん抗原特異的制御性T細胞誘導機構の解明とその制御法の開発
Project/Area Number |
20790681
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松下 麻衣子 Keio University, 医学部, 助教 (10327520)
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Keywords | 悪性リンパ腫 / 制御性T細胞 / 腫瘍抗原 |
Research Abstract |
がん抗原エピトープのT細胞受容体(TCR)に対する親和性と制御性T細胞(Treg)の誘導能の関係を明らかにするため、末梢にTregをもたない5C.C7 TCR-Tg/RAG-/-マウスを用いて、5C.C7 TCRに対するagonist抗原ペプチドを静脈注射、胸腺内注射、皮下留置浸透圧ポンプなどの方法で投与した。その結果、いずれの方法においても胸腺および末梢リンパ組織におけるFoxp3陽性CD4+T細胞が出現することをRT-PCRにより確認した。この中で最も強くFoxp3発現誘導が認められたペプチド胸腺注射において、Foxp3免疫染色を行なったところ、ペプチド投与一週間後の末梢リンパ組織においてFoxp3陽性細胞の顕著な出現を観察した。この個体由来のT細胞は抗原刺激に対する増殖反応が抑制されていたことから、agonist抗原の胸腺内投与により抗原特異的Tregのpositive selectionが誘導され、末梢においてTregが誘導されたと考えられた。一方、agonistより弱いがTCRから正のシグナルを伝達可能な種々のペプチドを、IFAをアジュバントとして免疫したところ、免疫4-5日後から末梢リンパ組織にFoxp3の発現が認められたが、agonist免疫ではFoxp3陽性細胞の誘導は認められなかったことから、TCRに対する不完全な正の刺激が末梢のCD4+ナイーブT細胞にFoxp3発現を誘導したものと考えられた。なお、昨年度に作成した様々なCH12株の移植によるTreg誘導能の解析に関しては、5C.C7 TCR-Tg/RAG-/-マウスの系統維持が不能になってしまったため本年度内に結論を得ることができなかった。
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Research Products
(1 results)