2009 Fiscal Year Annual Research Report
横紋筋肉腫におけるインプリンティング異常の血清診断
Project/Area Number |
20790738
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
菊地 顕 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (40453104)
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Keywords | 横紋筋肉腫 / インプリンティング / IGF2 / 血清遊離DNA / H19 |
Research Abstract |
横紋筋肉腫では11番染色体短腕のLOHが報告され、11pl、5領域に癌抑制遺伝子の存在が示唆されてきた。またこのLOHの多くは母由来であり、横紋筋肉腫の癌抑制遺伝子の候補として親由来により発現に差のある遺伝子、imprinting geneが考えられてきた。一方、IGFファミリーは多くの悪性腫瘍で高発現が報告されており、腫瘍細胞の増殖に深く関与していると考えられている。最近、11pl、5領域にimprinting gene、IGF2、H19が見つかり、その制御にはimprinting centerのメチル化が関与している事がわかってきた。いままでメチル化の判定には、バイスルファイト後のDNAを用いたメチレーションスペシフィックPCRや制限酵素を用いたコブラ法、ダイレクトシークエンス、サブクローニングが用いられてきた。今回我々は、さらに簡便に判定できるmelting curve analysis法に注目し、新たなメチル化判定法であるMelting curve analysis法を用いたIGF2/H19 imprinting異常の検出方法を確立すること、次に、この方法を用いて腫瘍組織におけるIGF2/H19 imprinting異常の意義の検討すること、さらに血清遊離DNAを用い同様の異常が検出できるか検討した。 結果;Melting Curve Analysis法は,簡便かつ特異性が高く,標的遺伝子のmethylationの分析に有用であった。横紋筋肉腫細胞株、腫瘍組織の両者でimprinting centerの異常メチレーション、すなわちIGF2/H19のimprinting異常を検出できた。腫瘍組織において、imprinting異常はIGF2 mRNA発現に関与している事が示唆された。さらに、血清からも腫瘍のimprinting異常を検出することができた。
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Research Products
(1 results)