2009 Fiscal Year Annual Research Report
発達段階特異的なアドリアマイシン投与によるVATER連合発症機構の解明
Project/Area Number |
20790773
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
内藤 陽子 Keio University, 医学部, 助教 (80348705)
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Keywords | VATER連合 / アドリアマイシン / ニワトリ胚 / caudal eminence / 前腸 |
Research Abstract |
本研究では、ニワトリ胚に発達段階特異的にアドリアマイシン(ADR)を投与することで、VATER連合のニワトリ胚モデルの作成し、ADRの自家蛍光を利用し、これまで検討されてこなかったADRの組織内分布を観察することに成功した。Hamburger Hamilton (HH) stage 10-13ニワトリ胚芽へのADR 2-5μg投与により、尾部退行、食道閉鎖、気管・肺無形成が特異的に誘導され、ADRによる奇形発症の臨界期はHH stage 10-13であることが明らかとなった。これは、ヒト胎生22日から26日(Carnegie stage 10-11)に相当する。ADR投与量が1μg以下では同様の奇形は誘導されず、ADRによる奇形発症は薬物濃度に依存していると結論した。また、薬剤の胎内組織分布の観察では、ADR由来の自家蛍光は脊索、体節、後腸、神経管、下肢、血管の発生に関与するcaudal eminenceと、前腸上皮に集積することを確認した。組織学的な評価では、ADR投与胚芽の尾側組織において神経管および体節に強い壊死性変化を認めた。以上より、臨界期にADRがcaudal eminenceと前腸上皮を同時に傷害した可能性、またその機序として、ADRは分裂中の2重鎖DNAに入り込んで複製を阻害することにより抗腫瘍作用を発揮することから、この時期に主に分裂が盛んな尾部および前腸の未分化細胞が障害されて奇形が誘導された可能性が示唆された。
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