2008 Fiscal Year Annual Research Report
炭素イオン線治療で悪性脳腫瘍を完治させるための基礎的研究
Project/Area Number |
20790877
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鈴木 義行 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 講師 (60334116)
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Keywords | 炭素イオン線 / 悪性脳腫瘍 / 遊走能 / 増感剤 / ニューロン |
Research Abstract |
炭素イオン線による悪性脳腫瘍の治療戦略を作成する上で、 (1)脳組織の炭素イオン線耐容線量(今後併用されるであろう新規抗がん剤併用時の) (2)(新規抗がん剤併用時の)悪性脳腫瘍細胞の遊走能抑制を目的に、20年度は、 1)正常脳神経細胞における、炭素イオン線のX線に対する生物学的効果比(RBE) アポトーシスを指標とし、放射線感受性を検討したところ、未熟(生後7日目)な脳神経細胞では炭素イオン線の脳神経細胞殺傷効果は、X線の約5〜6倍であった。 2)正常グリア細胞のX線感受性(正常神経細胞との比較も含む) グリア細胞は細胞の成熟度によるX線に対する感受性の差はほとんどなく、神経細胞と比べると、ややX線線感受性は低かった。炭素イオン線での検討は、次年度に持ち越した。 3)ヒト悪性脳腫瘍細胞における、テモダール併用時の炭素イオン線の生物学的効果比(RBE) ヌードマウス皮下移植腫瘍においては、テモダール併用時のRBEは約3であり、テモダール非併用時とほぼ同等であった。また、テモダールの併用効果は、相加効果であった。 4)正常ラット脳組織における、テモダール併用時の炭素イオン線の効果 ヒトでの通常の使用量(体重あたり)のテモダール併用時には、非併用時に比べ、明らかな炭素イオン線の効果増強作用は認められなかった。 5)ヒト悪性脳腫瘍細胞における、X線によるAkt, PDK1の発現 X線によりAkt, PDK1の発現増強が認められた。炭素イオン線での検討は、次年度に持ち越した。
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