2008 Fiscal Year Annual Research Report
放射線誘発肺線維症の分子メカニズムの解明とその抑制法の開発に関する実験的研究
Project/Area Number |
20790922
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
加藤 弘之 Gunma University, 重粒子線医学研究センター, 助教 (30334121)
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Keywords | 放射線, X線, 粒子線 / 放射線 / トランスリレーショナルリサーチ / 放射線防護 / 放射線肺臓炎 |
Research Abstract |
線維化傾向のあるとされるマウス系統(C57BL/6)を用い, in vivoの系で, TGF-beta 1を抑制するとされるウリナスタチンに着目し, 放射線照射によって発生する肺線維症を低減させる手法を検討した. 具体的には, 9週齢雌性マウス(C57BL/6)に, 左胸郭への200kV X線1回照射(12Gy, 24Gy)とウリナスタチンの腹腔内投与を行なった, 各照射線量群をさらに薬剤投与法により, 前期投与群(照射前30分と照射後6時間に20万単位/kgを投与), 後期投与群(照射後8日目から1週間連日・20万単位/kgを投与した群), 非投与群に分け, 照射から16週後に照射肺を摘出して, 組織学的変化ならびに、TGF-betaの免疫組織学的検討を行った. さらに, 24Gy照射を行った各群について生存期間の観察を行った. 肺線維症の経時的変化を, 非照射対照群と比較すると24Gy照射群では, 肺胞壁の肥厚, 細胞数の増加などの組織学的変化が認めら, 免疫組織学的なTGF-betaの発現も強く認められたが, 後期投与24Gy照射群では, 非投与24Gy照射群に比して組織学的変化と免疫組織学的なTGF-betaの発現が相対的に軽度であった. 24Gy照射群において, 非投与群・前期投与群に比して,後期投与群は生存期間が延長する傾向が認められた. 現段階の成果として, 放射線照射後のウリナスタチン投与が放射線肺障害を軽減させる可能性が示唆された.
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