2009 Fiscal Year Annual Research Report
先天性心疾患に合併する肺高血圧症に対する血管内皮増殖因子と低酸素誘導因子の影響
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20790979
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
徳永 千穂 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30451701)
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Keywords | 肺高血圧 / 血管内皮細胞増殖因子 / 先天性心疾患 / ラット肺高血圧モデル |
Research Abstract |
平成21年度には 肺高血圧を合併した先天性心疾患児(心室中隔欠損、両大血右室起始症、房室中隔欠損症、大血管転移症など)に対して心エコー検査による確定診断ののち、まず術前圧データとして心カテーテル検査で心内圧データを採取した。肺動脈圧、右室圧、体血圧、中心静脈圧および肺体血流比を計測し術前データとし、また動脈血酸素飽和度、血液ガスデータも可能であれば採取した。 根治術後に,肺動脈もしくは右室に直接圧ラインを挿入し肺動脈圧、右室圧を計測。同時に動脈圧ラインと中心静脈圧ラインから体血圧と中心静脈圧を計測する。動脈血可能であれば酸素飽和度、血液ガスデータも採取した。術後は術直後、第1病日、第7病日に同じく0.5mlの動脈採血を行い、上記のように血漿を分離し-80℃で保存した。血清VEGFの測定はQuantikine enzyme linked immunoabsorbent assay kit(R&D systems, Minneapolis, MN, USA)を用いて行った。サンプルはtriplicateして計測し、その平均値を測定値とすることとした。結果は肺高血圧症例では術前VEGF値は157.4±23.2pg/mlであったのに対して正常コントロールでは47.5pg/mlと上昇を認めた。また、術後は71.5±16.1pg/mlと低下していたがその後1週間後までには再び再上昇していた。そのため術後迅速に低下するとはいえなかった。平成22年どはさらに高肺血流性肺高血圧症と血管内皮細胞増殖のメカニズムの解明のためラットに動静脈シャントを作成することにより肺高血圧モデルをつくり、病理学的な肺組織とVEGFの関与について調査する予定である。
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