2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間質幹細胞を用いた錐体神経細胞分化誘導と、脳梗塞に対する移植再生治療法の開発
Project/Area Number |
20791019
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
野々口 直助 Osaka Medical College, 医学部, 非常勤講師 (70388263)
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Keywords | 骨髄間葉系幹細胞 / 分化誘導 / 低酸素負荷 / FGF-2 / Erythropoietin / 移植 |
Research Abstract |
骨髄間葉系幹細胞(以下BMSC)は自家移植が可能であるため倫理的障壁が少なく、かつES細胞やiPS細胞と比較して腫瘍化の危険が少ないことから医学の多方面の分野において再生医療の細胞ソースとして注目されている。本研究ではBMSCを中枢神経組織の再生医療へ応用するためBMSCの神経前駆細胞への高効率な分化誘導法と、in vivoおける機能的神経細胞への成熟方法の確立を目指して研究を遂行した。 神経の発生・分化に関わるNotchおよびadenylate cyclaseを活性化する視床下部ペプチドの一つで「神経突起伸長因子」としての生理作用が知られるPACAP(Pituitary Adenylate Cyclase Activating Polypeptide)の遺伝子をラットBMSCに導入し、浮遊培養条件下で一過性の低酸素負荷をかけた後にFGF-2、NGF、およびErythropoietinによる分化誘導刺激を加えることによって神経細胞の形質を有する細胞へと効率よく分化誘導できることを見出した。またこのBMSC由来の神経前駆細胞を、虚血損傷を作成したラット脳に移植するとそれらの一部は脳梗塞の虚血分水界領域へとmigrationし、成熟神経細胞のマーカーであるMAP2等を発現した状態で6ヶ月の長期に渡り脳内で生着していることが確認された。また移植細胞の一部は免疫染色でシナプス関連蛋白であるシナプトフィジンが陽性に染まり、成熟した神経細胞としてhostの脳内で機能している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)