2008 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌患者に対する癌ワクチン療法に応用できる腫瘍関連抗原由来ペプチドの同定
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20791130
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
南 高文 Kinki University, 医学部, 助教 (70340809)
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Keywords | 前立腺癌 / ペプチドワクチン / 潜伏感染 |
Research Abstract |
ホルモン抵抗性前立腺癌(HRPC)患者の平均生存期間は約1年と予後不良であり、有効な治療法がないのが現状である。近年、多くの腫瘍抗原がcytotoxic T lymphocytes(CTLs)を誘導することが確認されており、その腫瘍抗原のペプチドを利用した癌ペプチドワクチン療法の有効性が報告されている。ヒト腫瘍免疫療法においてMHC class Iに提示され腫瘍関連抗原由来ペプチドを認識することによりCD8^+CTLsが腫瘍細胞を傷害することが実験的に確認されており、各種癌に対する臨床研究においても腫瘍特異的CD8^+CTLsの有効性が確認されている。またT cellの腫瘍特異的activationは十分な腫瘍関連ペプチドの提示に依存し、最も効果的な抗原性ペプチドの提示は樹状細胞に依存すると考えられている。このような背景がら、伊東らは前立腺癌に発現している各種癌関連抗原より、前立腺癌担癌患者の末梢リンパ球を用いた研究で、CTL誘導可能なHLA-A2およびHLA-A24拘束性のMHCクラスIペプチド約50種類同定している。HLA-A2は日人約40%、HLA-A24は約60%が陽性でmajorityを占めることがら、現在、癌ワクチン療法の適応はHLA-A2、-A24陽性患者のみで臨床に源用できるHLA-A3supertype alleles拘束性のペプチドは無いのが現状である。今回われわれは両分子とも陰性であったため、残念なことにペプチドワクチン療法を受けられなかった症例を少なからず経験した。この状況を打開するためには日本人の46%が陽性と思われる第3のMHCクラスI分子、HLA-3super type拘束性のペプチド同定が必要であると考えられる。このような背景からHLA-2, -A24陽性前立腺癌患者以外にも癌ペプチドワクチン療法の適応を拡大するために、HLA-A3 supertype alleles陽性前立腺癌患者に応用できる有望なペプチド同定を試みる。HLA-A3 surperype alleles陽性前立腺癌患者においても先に述べた腫瘍関連抗由来ペプチドの発現が予想され現在まだ同定されていない、前立腺癌関連抗原においてそれぞれ由来のペプチドを使用しELISAによるIFN-γ測定、^<51>Cr試験にてスクリーニングにて同定し癌ペプチドワクチン療法に応用できる候補と成り得るペプチドを同定する。
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