2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791236
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
福島 久毅 Kawasaki Medical School, 医学部, 講師 (70309574)
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Keywords | 糖尿病 / 内耳 / 難聴 |
Research Abstract |
はじめに:糖尿病に感音難聴が合併することは知られているが、その原因部位は不明である。これまでに糖尿病モデル動物を用いた研究では、さまざまな報告がなされ定説はない。ヒト側頭骨を用いた研究では高齢者を対象とした症例報告のみで加齢変化を否定できない。今回、ヒト側頭骨連続切片を用いて統計学的に検討した。対象と方法:2型糖尿病によりインスリンによる治療を要した重症群11症例(年齢44-65歳、平均51.9歳)と経口血糖降下剤で治療し得た軽症群7症例(年齢45-64歳、平均54.4歳)、糖尿病を有しないコントロール群26症例(平均52.9歳)の側頭骨連続切片を光学顕微鏡下に観察した。血管条毛細血管と螺旋血管の壁の厚さ、血管条の面積、有毛細胞および螺旋神経節細胞の数について蝸牛回転別に計測し比較した、また、血管条毛細血管の壁の肥厚と血管条の面積、螺旋血管の壁の厚さと有毛細胞の障害との関連にっいても検討した。結果:重症群でコントロール群と比較して血管条毛細血管と螺旋血管の壁の有意な肥厚を全回転で認めた。血管条の萎縮は重症群でほぼ全回転コントロール群と比較して有意な萎縮を認めた。重症群および軽症群の両群の基底回転でコントロール群と比較して有意な外有毛細胞の欠損を認めた。各群間に内有毛細胞および螺旋神経節細胞は有意な差は認められなかった.また、螺旋血管の壁の肥厚と傷害された外有毛細胞の割合、血管条毛細血管の壁の肥厚と血管条の面積の問にそれぞれ相関関係は認められなかった.まとめ:糖尿病患者における難聴は蝸牛内の細小血管症と血管条および外有毛細胞の障害により起こると考えられた、細小血管症が引き起こす血流障害だけでなく、高血糖状態による他の要素も血管条および外有毛細胞の障害を起こしている可能性が示唆された.
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Research Products
(1 results)