2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791254
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
横山 知子 Hiroshima University, 病院, 助教 (90432723)
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Keywords | 緑内障 / 動脈硬化 / 放射線 |
Research Abstract |
平成19~20年に、広島・長崎放射線影響研究所において原爆被爆者の緑内障調査を行ったが、平成19年4月の時点で診断が終了した対象者の予備的解析において、正常眼圧緑内障と被爆線量に有意な相関が見られることが判明した。正常眼圧緑内障は、発症因子として、循環障害など眼圧非依存因子が関与している可能性が多く報告されているが、現時点では発症メカニズムの完全な解明には至っていない。 我々は、過去の調査において、眼局所の循環障害に関運すると考えられる網膜細動脈硬化が、原爆被爆者において、被爆線量との有意な相関を認めた点に注目し、原爆被爆者の緑内障と網膜細動脈硬化との関連を調べることとした。 まず,被爆者の緑内障調査は平成20年に終了したため、全対象者の解析をすすめた結果、やはり正常眼圧緑内障と被爆線量には有意な相関を認めることがわかった。この結果は、放射線被爆と緑内障発症との関連を検討する上では、今後非常に重要な意味をもつ結果であると考える。 次に網膜細動脈硬化の判定を行うことになったが、検者間での相違をなくすため、調査時に撮影した全ての眼底写真を、1名の連携研究者が,1999年にHubbardらが報告した判定方法にもとづいて判定を行うこととした。この判定万法は、眼底写真解析用ソフトを用いて非常に細かい変化を判定する必要があるため、連携研究者は、過去にこの方法を用いて数々の大規模疫学調査を行ってきたFundus Photograph Reading Centerで、全写真の判定を行う準備をすすめていった。
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