2008 Fiscal Year Annual Research Report
両生類モデルを用いた歯の再生に関する分子機構の解明
Project/Area Number |
20791345
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
三輪 容子 The Nippon Dental University, 生命歯学部, 助教 (80409218)
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Keywords | 歯学 / 両生類 / 歯胚 / 血管 / 再生 / 免疫染色 / エナメル芽細胞 / 象牙芽細胞 |
Research Abstract |
有尾両生類アカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)の歯は多生歯性であり顎骨の中には継続歯胚が連続的に観察できるという特長がある。血管内皮増殖因子(VEGF)は本来血管内皮細胞の増殖因子であるが、筋芽細胞や骨芽細胞、破骨細胞など様々な間葉細胞にも発現するという報告がある。歯胚の象牙芽細胞の分化形成に影響を与える報告(YMiwa et.al., 2008)に基づき、まずアカハライモリ顎骨を採取し歯胚についてエナメル基質形成期、象牙基質形成・石灰化期、エナメル基質形成・成熟期の3つのステージに分類した。続いて4%パラホルムアルデヒド固定後EDTAにより脱灰を行ない切片を作成した。ヘマトキシリンーエオジン染色による形態観察の後、VEGFとそのレセプターであるVEGFレセプター(VEGFR)の発現の局在性を抗VEGF抗体、抗VEGFR抗体を用いた免疫染色にて検出し詳細に観察した。抗VEGF抗体は特に象牙基質形成・石灰化期の象牙芽細胞の歯冠側で強い局在性が見られ、内エナメル上皮の基底側にも局在していた。抗VEGFR抗体はエナメル基質形成期および象牙前質形成・石灰化開始期の内エナメル上皮の基底側に強い局在性がみられた。抗VEGF抗体、抗VEGFR抗体とも周囲の骨組織には顕著な発現はみられなかったが血管内皮細胞には局在性がみられた。イモリ歯胚形成過程において血管内皮増殖因子VEGFとVEGFRが特定の時期・部位に発現していることから歯胚形成時におけるVEGFの関与が示唆された。
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