2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791406
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
尾関 伸明 Aichi Gakuin University, 歯学部, 助教 (70469005)
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Keywords | 移植・再生医療 / ES細胞 |
Research Abstract |
歯科領域において歯や歯質(象牙質やエナメル質)の再生を目的とする再生療法が注目され、培養法などが確立されているマウスES細胞を用いた歯周組織の再生の研究は、国内外で始まりつつある。私は、ヒトES細胞を用いた細胞導入治療法が従来のう蝕治療法や覆髄法に代わる有効な手段となる可能性があると考え、まず、マウスES細胞を用いて基礎的検討を行うために本実験計画を作成した。平成21年度の本研究の具体的到達目標は、マウスESを用いて象牙芽細胞に分化すると言われている神経堤細胞を分化誘導し、歯周組織、特に未だ再生のメカニズムが解明されていない象牙質の再生を目的に、象牙芽細胞への分化メカニズムとin vivoの実験系において象牙質の再生を検討することであり、以下の結果を得た。1.象牙芽細胞分化誘導前後の細胞表層タンパクintegrinの発現変化の評価:マウスES細胞にhanging drop法を施し、PA(レチノイン酸)存在下で3日間浮遊培養させ、その後、コラーゲン上に細胞を播種し7日間培養を行った。そして、TGF-β、BMP-2、Dental Matrix non-collagen proteins(DMNCPs)の添加群とBMP-4添加群におけるintegrinの発現変化をフローサイトメーターを用いて観察した。その結果、マウスES細胞のRAとBMP-4添加群において、integrinα2β1、α6β1とαVβ1の発現観察された。2.1.におけるintegrinの発現変化の遺伝子レベルでの評価:マウスES細胞のRAとBMP-4添加群におけるintegrinの発現変化をプロモーターassayで評価行った。その結果、integrinα2プロモーターを使用したプロモーターassayにおいて、RAとBMP-4添加群におけるintegrinα2の発現変化が遺伝子レベルで制卸されていることが明らかとなった。3.細胞外マトリックス(ラミニン-1、コラーゲンタイプI)に対する細胞接着能と運動能の解析:マウスES細胞のRAとBMP-4添加群における、象牙芽細胞分化誘導前後の細胞外マトリックス(ラミニン-1、コラーゲンタイプI)に対する細胞接着能と運動能の解析を行った結果、象牙芽細胞への分化誘導によりラミニン-1とコラーゲンタイプIに対して強い接着能と運動能を有することが明らかとなった。
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