2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体アパタイトの配向性をも考慮に入れた顎骨の高分解能・大規模有限要素解析
Project/Area Number |
20791441
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
松永 智 Tokyo Dental College, 歯学部, 助教 (70453751)
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Keywords | 有限要素解析 / マイクロCT / 骨梁 / 均質化法 / BAp配向性 / 顎骨内部構造 / 荷重伝達経路 / 主応力ベクトル |
Research Abstract |
顎骨の骨梁構造にまで考慮した荷重伝達機構を明らかにするため、高分解能撮像分解能のままの要素寸法で高精度三次元有限要素解析を行った。その結果、ビーグル犬を用いたインプラント埋入試料、ヒト下顎骨インプラント埋入モデル、無歯顎下顎骨における高精度な荷重伝達経路を予測することができた。最大主応力のベクトル表記により、これまで応力集中としてとらえていたシミュレーション結果を応力の大きさと方向として表現でき、変位モードを併用することで海綿骨構造が果たす生体力学的な役割を考察できたことは大きな成果である。同時に撮像分解能が応力解析制度に及ぼす影響について考察するために、医療用CTとデンタルCT及びマイクロCTを用いて撮像した海綿骨形態の情報を含む解析モデルを作製した。同一の力学的解析結果について比較検討を行ったところ、今回行った無歯顎下顎骨データに関しては明確な応力値の差はみられなかった。これに関しては、次年度も継続して検討する予定である。さらに、顎骨における皮質骨および海綿骨の生体アパタイト結晶(BAp)配向性の計測を行い、下顎頭と下顎第一大臼歯部および下顎中切歯部における皮質骨のBAp配向性を算出した。結果として下顎骨の歯槽部と基底部はBAp優先配向性に大きな違いがあり、基底部では近遠心的に配向しているのに対して、歯槽部では歯の植立方向に強い優先配向性が認められた。さらに次年度はBAp配向を解析条件に組み込むことで、骨梁の異方性を正確に予測できる顎骨のマルチシミュレーションを実用化するための基礎データを取得する予定である。
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Research Products
(5 results)