2008 Fiscal Year Annual Research Report
ポリホスホセリンを用いたエナメル質再生に関する研究
Project/Area Number |
20791480
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
横山 三菜 Kanagawa Dental College, 歯学部, 助教 (10386849)
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Keywords | ポリボスホセリン / 石灰化 / エナメル質 / 新生 / アパタイト |
Research Abstract |
牛歯エナメル質表面を研磨したのち、ポリホスホセリンおよびホスホセリンとアスパラギン酸の1対1の共重合体 (Copoly[Ser (P)^<50>Asp^<50>]) 水溶液中に1時間浸漬後、11時間第三リン酸カルシウム飽和溶液中に浸漬した。これを1クールとし、10クール繰り返し行った牛歯断面を走査型電子顕微鏡にて観察した。 ポリホスホセリン水溶液および第三リン酸カルシウム飽和溶液に浸漬したグループと、純水および第三リン酸カルシウム飽和溶液中に浸漬したグループとでは、酸処理を行わなかったグループ、酸処理を行ったグループともにリン酸化ポリペプチドを作用させた表面に明らかな結晶成長を確認することができたが、牛歯断面の走査型電子顕微鏡にて観察したところ、ポリボスホセリン水溶液に作用させたグループでは、酸処理によってできたエナメル小柱間隙が埋まっておらず、表面のみに結晶ができていた。Copoly[Ser (P)^<50>Asp^<50>]水溶液に作用させたグループでは、エナメル小柱間隙内にも結晶の成長を確認することができた。 ポリボスホセリン水溶液では、結晶成長が早くエナメル小柱間隙内に結晶ができる以前に、表層での結晶成長がおこり、エナメル小柱間隙内へのカルシウムイオンの供給を遮断してしまうことが考えられる。Copoly[Ser(P)^<50>Asp^<50>]水溶液では、表層での結晶成長がポリボスホセリンよりもゆっくりであるため、エナメル小柱間隙内ヘカルシウムイオンが供給され、間隙内にも結晶の成長が認められたと考えられる。
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