2008 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の標的因子による抗腫瘍療法の開発を目指したNαアセチロームの網羅的解析
Project/Area Number |
20791511
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田窪 千子 Tottori University, 医学部, 助教 (90379628)
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Keywords | 5-FU / NATH / プロテオーム解析 / アセチローム |
Research Abstract |
喉頭癌由来HEp-2に5フルオロウラシル(5-FU)を処理することで, NATH遺伝子発現が低下することに基づき本研究を行っている.NATHは翻訳緑後のタンパク質に対し, そのN末端をアセチル化する酵素である.本研究の目的はプロテオーム解析によってNATHの標的分子を網羅的に解析し, 癌細胞におけるNATHを中心とするアセチロームの重要性を明らかにすることである.またこれによって, 5-FUによるNATH遺伝子発現抑制の意義を見出し, アセチロームを標的とした新たな5-FUの作用機序を解明することである.平成20年度の研究実績は以下の通りである. 1.siNATH, NATH発現プラミスドをHEp-2に導入した後, NTTアッセイを行った.強制発現群では細胞増殖能の促進を, NATHノックダウン群(siNATH導入群)では細胞増殖の抑制を認めた. 2.NATHノックダウン群にてアポトーシスの検討を行った.具体的にはウェスタンブロットにてcasp3, 8, 9, PARPの発現を調べたところ, casp9, PARPにおいて発現量の低下を認め, アポトーシスが生じていることがわかった.またhoechst染色を行ったところ, NATHノックダウン群にてアポトーシスを生じている細胞を認めることができた. 3.NATHノックダウン群のサンプルにおいて2次元電気泳動を行い, コントロール群とスポットの違う所をピックアップし, 蛋白の同定を行った.認めた蛋白は, 他の研究者にて行った癌細胞における5-FU処理時のプロテオーム解析で認めた蛋白と類似していた.今後はプロテオーム解析でピックアップした蛋白を用い, 新たな5-FUの作用機序の解明に関して研究を行う予定である.
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