2008 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質知覚過敏の発現と強度に及ぼす歯肉退縮とステロイド剤の影響(臨床疫学研究)
Project/Area Number |
20791614
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
堀部 ますみ The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (50346615)
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Keywords | 象牙質知覚過敏 / 歯肉退縮 / ステロイド / 臨床疫学 |
Research Abstract |
歯肉退縮の程度と象牙質知覚過敏の発現との関連について、1年目は34名の患者を調査した。すなわち当院歯科・歯周病科受診し同意を得られた患者(2ヶ月以内に鎮痛剤の服用、知覚過敏用歯磨剤を使用した被験者は除く)の上下左右の犬歯・第一小臼歯(う蝕、充填物や補綴処置歯、および歯周病治療を行った歯は除く)に対して測定を行った。3-wayシリンジによるエアーを40〜60psiに調節後、シリンジの先にアダプターを装着し被験歯の歯頸部から2mmの一定距離を保てるように設定し、被験歯に1秒間吹きつけた。被験者には冷刺激O(全くしみない)1(少ししみる)2(しみる)3(凄くしみる)の4段階の評価をしてもらった。その結果、歯肉退縮量の平均値は冷刺激O : 0.99mm 1 : 1.41mm 2 : 2.33mm 3 : 2.09mmとなり、歯肉退縮量が増加する毎に知覚過敏を示す冷刺激の発現強度は強くなり、特に1mmと2mmの間において知覚過敏の強度の差が大きくなる傾向が認められた。次に知覚過敏の指標として被験歯の擦過刺激を行った。40gの一定圧で擦過できるグラムプローブにて歯頸部を擦過し、被験者には冷刺激と同様の4段階にて評価してもらった。その結果、擦過刺激に対し歯肉退縮量はO : 1.22mm 1 : 1.00mm 2 : 1.50mm 3 : 2.00mmとなり顕著な関与は認められなかった。その他、歯周ポケットの有無、歯肉の炎症の有無、性別、年齢などについても検討を行った。歯周ポケットの有無、性別、年齢については、冷刺激に対してほとんど差は認められなかったが、歯肉の炎症の有無を示すBleeding on probing(BOP)は冷刺激の増加につれて減少している傾向が認められた。しかし何れにしても被験者数が少ないため今後さらなるデータの収集が必要と思われる。次年度も引き続きデータの収集を継続する予定である。
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Research Products
(1 results)