2009 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質知覚過敏の発現と強度に及ぼす歯肉退縮とステロイド剤の影響(臨床疫学研究)
Project/Area Number |
20791614
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
堀部 ますみ The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (50346615)
|
Keywords | 象牙質知覚過敏 / 歯肉退縮 / ステロイド / 臨床疫学 |
Research Abstract |
前年度の調査に引き続き、症例数を増やすとともにデータの集計および結果の分析を行った。 福本歯科医院および徳島大学病院・歯周病科において患者70名、被験歯358本の診査を行った。 データ集計の結果、被験者1名あたりの冷刺激(y)は平均歯肉退縮量(x)に対し、y=0.188x+0.194の係数をもって正の相関を示すことが分かった。男女別においては、有意差は認められなかったが、女性の方が冷刺激を感じやすい傾向が認められた。また年齢別においては、10歳代から70歳代において大きな違いは認められなかった。 歯種別に分析すると、歯肉退縮を認める歯は認めない歯と比較して有意に冷刺激を感じる割合が高く、また歯肉退縮量が多いほど冷刺激の強度も増加した。また、冷刺激0(全くしみない)では歯肉退縮量平均0.44mmであるのに対して、冷刺激1(少ししみる)では1.52mm、冷刺激2(しみる)では2.40mm、冷刺激3(凄くしみる)では2.58mmであった。いずれの退縮値も冷刺激0と比較して有意に高かった。 研究計画のもう一つの課題、ステロイド服用患者の象牙質知覚過敏発現に関する調査は、本院歯科受診患者で同意の得られた患者に対し昨年同様の歯肉退縮と知覚過敏の発現の検査を行うとともに、被験者の服用ステロイド剤量の指標として服用薬剤名、1日の用量、現在までの服用期間、全身疾患の病名に加えて、採血をして血中コルチコイド濃度の測定を行う予定であったが、患者の同意が得られず採血による測定にはいたらなかった。しかしながら、ステロイド患者の知覚過敏の一症例を前年度の歯科保存学会において発表し、現在も継続的に症状の確認を行っており、近々症例報告として論文にまとめる予定である。
|