2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病による歯槽骨破壊におけるWnt5aの役割の解析
Project/Area Number |
20791624
|
Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
石原 章弘 Matsumoto Dental University, 歯学部, 助手 (90460419)
|
Keywords | 破骨細胞 / Wnt / 非古典経路 |
Research Abstract |
我々は、Wnt5aが共受容体Ror2を介し、破骨細胞分化を促進することを明らかにしている。そこで、歯周病による歯槽骨破壊にWnt5aが関与するか明らかにするため、平成20年度に以下の実験を行った。(1) 活性型ビタミンD_3や炎症性サイトカインなどの骨吸収因子が、骨芽細胞におけるWnt5aの発現を誘導するかを検討した。TNFαの添加はWnt5aの発現を著しく増加した。しかし、活性型ビタミンD_3の添加は、Wnt5aの発現に影響しなかった。TNFαは歯周病に強く関与することから、歯周病組織において、Wnt5aの発現が上昇している可能性が示唆された。(2) Wnt5aデコイ受容体として可溶型Ror2(sRor2)を作製した。(3) 骨芽細胞と骨髄細胞の共存培養で形成した破骨細胞を象牙切片上に播種すると骨吸収窩を形成した。この培養系にsRor2を添加すると、破骨細胞による吸収窩形成は顕著に抑制された。(4) 骨吸収活性に及ぼすWnt5aの作用を解析する為、野生型、Wnt5a^<-/->およびRor2^<-/->由来マクロファージをRANKLとM-CSF存在下で培養し、象牙片上で破骨細胞に分化させた。形成された吸収窩を現在、解析中である。(5) 炎症性骨吸収におけるWnt5aの役割を解析するため、マウスの頭蓋骨にLPS(25mg/kg)を局所投与し、炎症性骨吸収を誘導した。同時にsRor2を腹腔内投与した。採取した頭蓋骨を組織学的に解析している。(6) 歯周病患者の歯周組織を継続的に収集している。
|