2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病メインテナンスの向上につながる全身健康度や口腔保健要因のデータベースの構築
Project/Area Number |
20791639
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西田 伸子 Osaka University, 歯学部附属病院, 医員 (80456946)
|
Keywords | 歯周疾患 / リスクファクター / ライフスタイル / 疫学 / 予防歯科 |
Research Abstract |
本研究課題は、歯周病メインテナンス患者の全身健康度や口腔保健要因を分析し、歯周病治療中の患者に対してもフィードバックできるように、歯周病メインテナンスの向上につながる情報のデータベースを構築する研究を計画したものである。昨年度は主にデータベース作成のためのデータ採取を行い、今年度はデータ採取に加えて分析および多変量解析も行った。対象者は、大阪大学歯学部附属病院予防歯科において、歯周病治療ステージがメインテナンス期または初期治療期の20歳以上の患者とした。このうち、書面によりインフォームドコンセントの得られた者に対し、問診、口腔内診査および唾液診査を行った。問診により、喫煙や飲酒習慣を含む生活習慣と、内科的疾患等の全身健康状態、内服薬の服用状況、歯磨頻度などの口腔保健要因を調査した。また、口腔内診査を行い、う蝕状況を診査したほか、歯周ボケット深さや臨床的アタッチメントレベルなども測定し、歯周状態を評価した。さらに、唾液診査により唾液流量および緩衝能を調べ、唾液試料よりインターロイキン1βを含む各種唾液バイオマーカー等についても分析した。現在喫煙者を除外して分析したところ、歯周病メインテナンスの向上には、内服薬の有無、喫煙履歴が強く関与していることが明らかとなった。内服薬服用者は、非服用者と比較して歯周病進行部位数が統計的に有意に多かった。また、内服薬非服用者を抽出してさらに分析したところ、元喫煙者は、非喫煙者と比較して歯周病進行部位数が統計的に有意に多かった。以上の結果より、歯周病のメインテナンスにおいて、スケーリング等の歯周処置を継続することに加え、内服薬服用状況や喫煙履歴も考慮した保健指導を行うことも重要であることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)