2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病と血液・唾液中の酸化ストレス度・抗酸化力との関係
Project/Area Number |
20791641
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
玉木 直文 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20335615)
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Keywords | 歯周病 / 酸化ストレス / 抗酸化力 / 血漿 / 縦断研究 |
Research Abstract |
歯周炎による歯周組織の損傷が,過度な活性酸素種の産生を促すことがわかっている。この状態下においては血液中の酸化-抗酸化のバランスが崩れ,低分子リポプロテイン(LDL)の酸化が促進されることが予想される。今回の研究の目的は,慢性歯周炎患者に対して非外科的歯周炎治療を行い,血液中の酸化ストレスと酸化LDLの変化を追跡することである。 非喫煙の慢性歯周炎患者(歯周炎群)22人と年齢・性別をマッチングさせた歯肉健常者(対照群)22人を対象とした。血漿中の酸化ストレス度,酸化LDLおよびC反応性タンパク(CRP)を初診時と非外科的歯周治療を実施した1,2ヶ月後に測定した。 初診時において,歯周炎群の酸化ストレス度(P<0.0001),酸化LDL(P<0.001)およびCRP(P=0.01)は,対照群と比べてそれぞれ統計学的に有意に高かった。歯周炎群の酸化ストレス度は,酸化LDL(r=0.671,P<0.0001)とプロービング時出血(r=0.576,P=0.005)にそれぞれ有意な正の相関関係を示した。歯周治療により,歯周炎患者の臨床指標はすべて有意(P<0.01)に改善し,酸化ストレス度と酸化LDL濃度もそれぞれ有意に減少した(P<0.001)。治療開始2ヵ月後の評価においては,酸化LDLの改善量と酸化ストレス度の改善の程度との間に強い相関があった(r=0.593,P=0.004)。 歯周炎患者において,血液中の酸化ストレスと酸化LDLは健常者に比べて高かった。非外科的な歯周治療は,酸化LDL濃度を減少させ,その変化量は血液中の酸化ストレスの減少と強く関連した。
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Research Products
(4 results)